鍛え抜かれたもの
木材には木目があり、方向によって強度が異なることは広く知られています。
鋼材にもそれに相当するものがあり“鍛流線”(ファイバーフロー)がそれにあたります。
高温に熱した鋼材を叩いて成形する“鍛造”という製法では、鍛流線が製品に沿った流れとなる粘り強い素材を得ることができます。
また完成品に近い形状へ変化させることで、切削などの後工程が減り、材料の節約、加工時間の短縮を同時に実現できます。
古来より“火造り”と呼ばれ、包丁や鉈などの身近な生活用具から日本刀に至る武器まで、鉄を鍛えることでしか得ることのできない性質を私たちは生活に取り入れてきました。